歯のはなし
2020年9月12日 土曜日
ブラッシング時もしみる対策を
猛暑も9月2週目に入り少し落ち着いてきました。
今年の夏は7月までとても涼しかったのに、8月に入り急激に暑くなりましたよね。
皆さんもアイスや冷たい飲み物を口にすることが多かったのではないでしょうか。
そんな時に気になるのがやはり知覚過敏ですよね。
せっかく大好きなアイスを食べているのに、歯がズキーンとなって思いっきり楽しめない・・・。
そんな方のために新しい歯磨剤(歯磨き粉)を取り扱い始めました。
その名も『メルサージュヒスケア』この商品はリニューアルされており知覚過敏の症状だけでなく、
フッ素濃度も歯磨き粉に入れられる最大量1450ppmを配合しており虫歯予防にも適しています。
その他歯周病を予防するβ−グリチルレチン酸配合、タバコのヤニも落とす薬剤(ポリエチレングリコール400)や
黄ばみやくすみを落とすことができるという2種類の清掃剤も含まれ、あらゆる悩みに対応してくれる優れものです。
またパッケージが可愛くておしゃれですね。
機能も兼ね備えていてパッケージもおしゃれなものはなかなかないですよね。
歯科医院専売商品となっておりますので興味のある方は一度使用してみてくださいね
2020年2月15日 土曜日
キシリトールチョコレート
バレンタインが終わりましたね。本命チョコ・義理チョコ・友チョコ 皆さんはいくつもらいましたか。
当クリニックでも歯科医院らしく虫歯にならないチョコを取り揃えてみました。(好評につきバレンタイン後も継続販売中です)
さて、キシリトールガム、キシリトールチョコ(チョコは珍しいかもしれませんね)いろいろな商品がありますが、そもそもキシリトールって何?ということで今回はキシリトールのお話です。
キシリトールは人工ではなく自然界に存在する天然の糖アルコールの代用甘味料です。
果実や野菜にも含まれている成分ですが、商品として作り出す際はカバノキなどから作られています。
・砂糖と同等の甘さを持つ
・冷涼感がある
・摂取してもインシュリンに作用しないので血糖値に影響を与えない
・カロリーは砂糖の75%
・アメリカ・カナダ・ヨーロッパなどで医療用に認可されておりFAO/WHO合同食品規格委員会より『1日の許容摂取量を特定せず』というランクのカテゴリーの食品として登録されています
・軽度の下剤としての効果もあり食品のパッケージの裏に多量摂取でお腹がゆるくなることがありますと記入されています。
このような特徴のあるキシリトールですが、歯科的にお勧めしたい理由を挙げたいと思います。
1.歯を溶かす酸を作り出さない
通常虫歯のメカニズムは虫歯菌(ミュータンス菌)は砂糖を分解し、酸を作り出します。その酸が歯質を溶かし虫歯になります。ところがキシリトールはミュータンス菌によって分解されないため酸を酸性しません。
2.ミュータンス菌の活動を抑える・プラーク(歯垢)の抑制
それどころかミュータンス菌はエネルギーを使ってもキシリトールを体内に取り込みますが利用できず、体外に排出します。これを何回もくりかえします、エネルギーを無駄遣いしてしまうことによりミュータンス菌は増殖やプラーク(歯垢)形成を抑えられてしまいます。
3.唾液分泌作用の促進
口腔内で味覚を刺激し唾液分泌を促進し、プラーク(歯垢)の形成を抑制します。
4.歯の再石灰化を促す
キシリトールはカルシウムと結合し歯の表面の再石灰化を促します。
食べないより食べたほうが虫歯にならないならキシリトールチョコ食べないわけにいかないですよね。
ただし、チョコレートは脂質もあるので歯磨きをしなくてもいいというわけではありません。
しかし、虫歯になるからチョコは食べちゃダメと言われて育った私たちの子供の頃と比べて、現代の子は虫歯予防のためキシリトールチョコ食べなさい!!と言われてもいいですよね。羨ましいです
ただ気をつけていただきたいのはキシリトール100%とキシリトール配合は異なります。よく見ると砂糖が入っていることも・・。成分表をよく見て購入するようにしてくださいね。
2018年1月20日 土曜日
ミュータンス菌は虫歯をつくって何の得があるの?
今回は子供から高齢者まであの恐怖の痛みを引き起こす虫歯についてのお話です
虫歯を放置してあのズキズキする痛みを体験した方もいらっしゃるのではないでしょうか?
歯医者が診療していない夜中にズキズキ、鎮痛剤も効かないズキズキ本当に嫌ですよね。
一体ミュータンス菌はなぜ私たちにこんな仕打ちをするのでしょうか?今回はそのお話です。
幼稚園や小学校低学年では、お口の中の虫歯菌が虫歯を作るんだよと教えられ、高学年になると虫歯を作るミュータンス菌が磨き残しや、食べかすを餌に酸を作ってその酸が歯を溶かしてしまうんだよ。だからしっかり磨こうねと教えられますよね。
なぜ食べカス(糖)から酸を作って歯を溶かすのか?歯を溶かして菌にとって一体どんなメリットがあるのかというと、じつは菌が糖から酸を作るということに意味があるのです
私たちが毎日ご飯を食べてエネルギーを得ているように菌も同様に生きていかなくてはなりません。
なぜ菌が酸を出すかというと生きるためのエネルギーを作っているのです。
菌がエネルギーを作ると乳酸ができてしまうので、結果的に虫歯を作るほうに行ってしまいます。
そうなると皆さんの歯はどんどん溶けて虫歯だらけになってしまいそうですが、実際はそんなことはありません。
これは酸性食品や甘いものを摂取すると歯の表面の㏗が酸性に傾きますが、唾液により時間とともに中和されていきます。
そのためそう簡単には虫歯にならないのです。
しかし常に甘いものを食べているとpHが下がった状態が続くので虫歯になりやすくなります。
ミュータンス菌は虫歯の原因ではありますが、ほかに唾液の量、歯質の強さ、食事傾向、歯ブラシの回数などにより虫歯のリスクは大きく変化します。
ミュータンス菌は私たちに痛い思いをさせようとしているわけではないことはわかりましたが、結果的に磨かないと虫歯になってしまうことにはかわりがないのでやはり食事のあとはしっかり磨くことをお勧めします
2017年9月16日 土曜日
虫歯リスクの高い人
8月は曇りが多くてすっきりしない天気が続きましたね。9月に入って急に日差しが戻って暑くなってきたと思ったら台風がやってきました。皆様おでかけには十分気を付けてください。
今回は虫歯のなりやすさについてお話しします。よく皆さんの周りでも、『昔から歯は強くて、歯磨きなんて子供のころからほとんどしなくても虫歯になったことない』という人いますよね。
そして反対に『私は、自分の親もすごく虫歯が多くて 遺伝したから虫歯になりやすくて』という方もいると思います。
虫歯になりやすい方は確かにいます。歯質の弱さ(構成組織の比率や水分量など)も遺伝することもありますし、口腔内細菌のバランスや虫歯を引き起こすミュータンス菌の量、あるいは唾液の量によって影響を受けますが、本当に虫歯になりやすい方はしっかり歯磨きをして、ほとんど歯垢(プラーク)が付着してないにも関わらず虫歯になってしまいます。
そして自称(?)虫歯になりやすい方はよくみてみるとやはり磨き残し(プラーク)がついていることがほとんどです。多少の歯質の弱さはあったとしてもブラッシングをしっかりしていれば予防することは可能です
虫歯リスクが高いかを見分ける、ひとつポイントとして【一番虫歯になりにくい歯はどこでしょう】。それは下顎前歯です。なぜかというと下顎前歯は下唇に接しているからです。話をしたり、食事をしたりするたびに下唇は下顎前歯の唇面を大きくワイパーのように擦ります。そのため細菌が歯面に付着しにくいのです。(上唇は下唇に比べて動きにくいので虫歯になりやすさとは関係しにくいです)
つまり下顎前歯に虫歯がある人は虫歯のリスクが高いと言えます。プラークコントロールが極端によくない場合は別ですが。
ほかにも
唾液が少ない人: シェーグレン症候群・加齢による分泌量の減少・口腔領域への放射線治療後・(過度なストレスなど緊張状態が続いても唾液が少なくなることがあります)
歯肉が下がり歯根が見えている人: 加齢による歯肉の下がり・重度歯周病あるいは歯周病治療による歯肉退縮(下がり)→(歯根は歯冠にくらべ虫歯になりやすい組織です)
などでも虫歯のリスクは上がります。
ほとんどの方は自分は虫歯になりやすいと思っているだけで実は、磨いたと思っていても磨き残しがあることがほとんどです。ただ歯垢(プラーク)は白いのでよく見ないと見えにくいのです。昔は歯医者さんにしか置いてなかった、歯垢(プラーク)染め出し液も大きなドラッグストアに置いてあるのでご自宅でブラッシング後に使って磨き残しをチェックしてもいいかもしれませんね