歯のはなし
2017年9月16日 土曜日
虫歯リスクの高い人
8月は曇りが多くてすっきりしない天気が続きましたね。9月に入って急に日差しが戻って暑くなってきたと思ったら台風がやってきました。皆様おでかけには十分気を付けてください。
今回は虫歯のなりやすさについてお話しします。よく皆さんの周りでも、『昔から歯は強くて、歯磨きなんて子供のころからほとんどしなくても虫歯になったことない』という人いますよね。
そして反対に『私は、自分の親もすごく虫歯が多くて 遺伝したから虫歯になりやすくて』という方もいると思います。
虫歯になりやすい方は確かにいます。歯質の弱さ(構成組織の比率や水分量など)も遺伝することもありますし、口腔内細菌のバランスや虫歯を引き起こすミュータンス菌の量、あるいは唾液の量によって影響を受けますが、本当に虫歯になりやすい方はしっかり歯磨きをして、ほとんど歯垢(プラーク)が付着してないにも関わらず虫歯になってしまいます。
そして自称(?)虫歯になりやすい方はよくみてみるとやはり磨き残し(プラーク)がついていることがほとんどです。多少の歯質の弱さはあったとしてもブラッシングをしっかりしていれば予防することは可能です
虫歯リスクが高いかを見分ける、ひとつポイントとして【一番虫歯になりにくい歯はどこでしょう】。それは下顎前歯です。なぜかというと下顎前歯は下唇に接しているからです。話をしたり、食事をしたりするたびに下唇は下顎前歯の唇面を大きくワイパーのように擦ります。そのため細菌が歯面に付着しにくいのです。(上唇は下唇に比べて動きにくいので虫歯になりやすさとは関係しにくいです)
つまり下顎前歯に虫歯がある人は虫歯のリスクが高いと言えます。プラークコントロールが極端によくない場合は別ですが。
ほかにも
唾液が少ない人: シェーグレン症候群・加齢による分泌量の減少・口腔領域への放射線治療後・(過度なストレスなど緊張状態が続いても唾液が少なくなることがあります)
歯肉が下がり歯根が見えている人: 加齢による歯肉の下がり・重度歯周病あるいは歯周病治療による歯肉退縮(下がり)→(歯根は歯冠にくらべ虫歯になりやすい組織です)
などでも虫歯のリスクは上がります。
ほとんどの方は自分は虫歯になりやすいと思っているだけで実は、磨いたと思っていても磨き残しがあることがほとんどです。ただ歯垢(プラーク)は白いのでよく見ないと見えにくいのです。昔は歯医者さんにしか置いてなかった、歯垢(プラーク)染め出し液も大きなドラッグストアに置いてあるのでご自宅でブラッシング後に使って磨き残しをチェックしてもいいかもしれませんね